INTERVIEW

D.D.S. Takuya Kuribayashi INTERVIEW APRIL, 2012

栗林拓也先生(栗林歯科クリニック 院長/歯科医師)

× 山村俊介(SOCALE 代表/デザイナー)

 

商店建築増刊「Dental Clinic Design」に掲載された栗林歯科クリニック。院長の栗林先生に開業準備の頃のお話をうかがいました。

 

開業1周年おめでとうございます。ユニットも増設され順調な滑り出しのご様子で安心しました。今日は昨年の開業準備の頃を思い浮かべながらお話を聞かせてください。

 

山村:初めてお会いした時はすでに数社の歯科医院専門の設計施工会社とお話を進められていましたが、その中から歯科医院専門ではないソケールを選んだ理由を教えていただけますか。

 

栗林先生:従来のクリニックが持つマイナスイメージを払拭するには、また通いたくなるような空間が必要だと感じていました。そんな時に、たまたま山村さんのポートフォリオを見る機会があり、無垢材のフローリングを使った、温もりのある内科のデザインに一目惚れしてしまい、すぐに連絡させてもらいました。僕の要望に添っておしゃれなデザインを提案してくれるところは他にもありましたが、おしゃれやカッコ良さは時代とともに変化します。山村さんのデザインコンセプトは素材やカラーの組合せの表面的なデザインではなく、本質的な空間の気持ち良さを大切にしていて、10年、20年と時が経っても普遍的な魅力があると感じてお願いすることに決めました。あと、トップクラスの歯科医院を数多く手掛けている、ジョイントセンターの出身ということで安心感もありました。

 

山村:実際に1年間この空間で働いてみて、どのような印象をお持ちですか?

 

栗林先生:たとえば洋服でも気に入ったものを着ていると気持ちが変わりますよね。それと同じで、一日の大半を過ごす空間が明るく居心地がいいので、自然と心に余裕が生まれ、患者さんやスタッフとのコミュニケーションにとてもいい効果があったと感じています。なにより、患者さんから「きれいですね」「清潔感がありますね」と言ってもらえるのが本当にうれしいです。

 

山村:コストについてはどういった印象をお持ちですか?

 

栗林先生:安かったとはいえませんが、十分に納得できる内容だったと思います。嘘のない治療を行いたかったので、空間に使う素材にもフェイクの材料は使いたくなかった。ビニールクロスや塩ビシートなどのプリントされた木目を使った、見た目だけナチュラルなクリニックが多い中、限られた予算の中で天然木やリノリウムなど自然の材料を使うことができたので、コストパフォーマンスはとても高いと感じています。

 

山村:逆に反省点などはありますか?

 

栗林先生:植物を沢山植えていただいたので、手入れが大変なこともありますが、その分、グリーンに癒されることも多いのでとても気に入っています。左官の白い壁はすぐに汚れてしまうんじゃないかと不安だったのですが、気をつけていることもありますが、ほとんど汚れていません。

 

山村:今回のソケールの仕事ぶりについてはいかがでしたでしょうか?

 

栗林先生:マニュアルに添った医院づくりではなく、山村さんと少しずつ積み重ねてカタチにすることができました。資金も面積も十分という開業ではなかったのですが、クリニック以外のノウハウやアイデアでさまざまな問題を解決していただきました。また、勤務をしながらの開業準備でまとまった時間がとれない中、診療が終わった20時ごろから山村さんの終電ぎりぎりまで、何度も打合せをしていただき納得のいくクリニックができたと思っています。キャッシュトレーやソープディスペンサーなどの小物までトータルにコーディネートしていただけたのもとても良かったです。

 

山村:最後に、今後の展望などもお聞かせいただけますか?

 

栗林先生:クリニックのリラックスした雰囲気もあり、患者さんのお悩みをじっくり伺い、一人一人の患者さんに合った治療を提供できています。そのため自費診療の患者さんも増え、経営的にはとても安定してきました。今後は技工室をつくるなどさらに患者さんへの医療サービスの質を上げて、クリニックと共に長くお付き合いができる患者さんが増えていけばと思っています。

 

ありがとうございます。私も本当に良い経験をさせていただきました。今後のご発展を楽しみにしております。今日はどうもありがとうございました。

 

KURIBAYASHI DENTAL CLINIC

Clinic | Nishiojima, Tokyo 2011