H HOUSE

オイル仕上げの幅広のフローリングはフィンランド・Timberwiseのオーク材。

壁はホワイトとライトグレーに塗り分けている。ブラインドはnanikの木製ブラインド。

キッチンカウンターの扉材はホワイトオークの突板。食洗機などの設備もビルトインされています。吊戸棚は壁面に埋め込み、低めにすることで存在感をなくしています。レンジフードはステンレスのキューブ型のものをセレクト。

グレイッシュグリーンのパーテーションの中には冷蔵庫、奥はパントリーへとつながっています。

天井高を2mまでおさえた廊下からリビングをみる。

洗面器はドイツ・DURAVITのスタルク3。壁面収納の上には柔らかい光の間接照明を設けています。

玄関を入ると正面にはアートを飾るための壁、右手はバスルームなどの水回り。左手はリビングへと続いています。

> ゲストを迎える、明るさと開放感のある住まい

 

西麻布とは思えない閑静な住宅地にある築35年の戸建住宅の2階。ご主人が生まれ育った実家をご両親から譲り受け、料理の先生である奥さまと4歳の男の子の3人家族が暮らす住居のリノベーション。日中は奥さまが料理教室としてつかい、夜はゲストを料理でもてなすことも多いということで、生活するための空間の中に、ゲストをもてなすための工夫をいくつかほどこしました。もともとのプランではエントランスからまっすぐ伸びていた廊下をクランクさせて、天井高を2mまでおさえ、ゲストが心を落ち着かせ気持ちを新たにするための場としました。さらに、その先に広がるリビングの明るく開放的な空間を強調する仕掛けにもなっています。個室だったキッチンはオープンタイプに変更して、L字型のキッチンカウンターとリビング・ダイニングを一体とした空間にしました。キッチンの隣には浴室を移設して、新たにパントリーを設け収納も充実させています。ステンレスのキッチンカウンターはシンクと一体型のオリジナル。吊戸棚は壁面に埋め込み、リビングとひとつながりの空間であっても違和感のないようなキッチンとしました。

 

空間は住み手の豊かな感性によって選び抜かれた家具が引き立つような、背景としてのインテリアを目指しました。壁や床の素材感や色合い、天井高や広さのバランスなどを整え、できるだけノイズを排除したプレーンな空間としました。床はフィンランド産のオーク材、寝室や子ども室はブラウン系のリノリウム。ベースは白い箱としながらも一部をライトグレーにペイントして空間に奥行をあたえ、ハンドルやレンジフードなどの金物はステンレスで統一しました。リビングの窓からは裏にある学校のグラウンドが広がり、木製のブラインドから柔らかな日差しが入り込みます。普通じゃないけれど、普通に見えて、10年後、20年後も飽きずにつきあえる家。多くのゲストとくつろぎのひとときを過ごしてもらいたいと願っています。

 

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H HOUSE

 

Category|住宅

Address|東京都港区西麻布

Open|2016年12月24日

Floor Space|100㎡

Produce|ビルディング 木村洋輔

Lighting Adviser|ヤマギワ 副島佳子

Construction|菊田工務店 山下哲治

Photo|14才 伊藤彰浩